「斗真…!」
「陸兄…。」
ほぼ同時に名前を呼んでいた。
「陸兄…まさか…。」
「まゆの家に…いっ…!」
「行ったよ。まゆ家に。」
陸兄の言葉にカァッとなった。
つまらない嫉妬をした。
「お前!何しにまゆの家に行った!?」
「俺が別にまゆの家に行こうが」
「斗真には関係ないだろ。」
何なんだよ…。
陸兄。
関係あんだよ…。
「後、今日まゆ悲しんでた。」
「えっ…?」
「俺達3人で帰れる事すげー楽しみにしてたんだぞっ!」
陸兄は怒鳴った。
あぁ…。
斗真にイライラする。
「そんな事わかってる。」
「でも仕方なかったんだよ。」
「そうだな…。仕方ないもんな。」
「まゆの所じゃなく藤岡の所行ったんだからな!」
「!!」
陸兄がこんなに反撃するのは…
初めてだ…。
「斗真、お前何なの!?」
「藤岡とまゆどっちが好きなんだよ…。」
「……。」
陸兄…
そんな事言われなくてもわかってんだよ。
「藤岡とまゆどっちも好きなんだろう!?」
俺は斗真の気持ち本当はわかっていた。
でも、
俺、今日の斗真は許せなかった。
まゆを悲しませた事につい、カァッとなって言ってしまった。
「俺は藤岡は大事な友達だ。」
「中学の時藤岡を怪我させてしまった…」
「だから俺は大事な友達がピンチな時」
「助けてやりたい。」
「それが友達ってもんだろ!?」
斗真の言ってる事は正しかった。
俺が勝ってに嫉妬し、先走って訳の分からない事を言っていたんだ。
「斗真ごめんカァッとなった。」
「別にもう、いいよ。」
「それとまゆは幼なじみじゃなく」
「かけがえのない女として」
「まゆが大好きだ。」
やっぱり斗真はまゆが好きなんだ。
俺の予想は当たっていた。
でも、俺もまゆが大好きだから……。
負けられない……。


