イヤなやつ…なのに、


そう思いながら、廊下を見渡すと、来夏と舞が3組に向かってくるところだった。


久しぶりに正面からみる来夏―――舞と話しながら無邪気に笑う来夏をみて、なつかしく思う。


笑顔とか姿とか、小学校のころから何一つ変わっていないように思うんだよな。



来夏は、学校内でもかわいいと有名だ。

とうの本人は全く気付いていないんだろーけど。


健康的な色で、綺麗な肌。

茶色のサラサラした長めのかみ。

丸くて茶色の大きな目…ラプンツェルだかの目に似ているという評判。

小さく、形よくとがった鼻。

血色のいい唇。

背は158センチで小さく、細いけど筋肉も程よくついた脚。


誰がみても「かわいい」容姿だよな。



一緒にいる舞は、かわいいというより、美人でこっちも有名だ。


胸まで伸びる黒髪と、アーモンド型の漆黒の目。

背が高くすらっとしている。


舞とも小学校が一緒で、まぁまぁしゃべったことはある。

そして来夏と舞は小学校のころから一緒にいる。

サバサバしている性格で、人を良くみている舞がこれほど一緒にいるのは、来夏の性格が
いいからだろうな。




「えぇぇぇぇぇぇ!!!」

突然、廊下に響き渡った来夏の声。

大きい目をさらに大きく見開いて固まり、周りの視線に気づくと慌てて教室に入る。

だけど、ダイナミックにこけて頭をぶつけてやがる…ぷっ!


周りの人たちは、笑いをこらえている。

さっきまで話し込んでいた4人は、こらえることなく笑っていた。


さっそく面白くなりそうだな・・・・

俺のドS魂は、めらめらと燃えていた。