イヤなやつ…なのに、


來斗side―



「らーいっ!おはよー!」


そういってきたのは、明るい色で髪を染め、メイクをばっちりしているちょっとギャルな女。


「よー、おはー。」

俺は軽く手を挙げ普通に返事を返す。

「朝からかっこいいねー。」

「ありがとよ。」


そういって俺はその女の頭を小突いた。

女は嬉しそうに笑っている。


「來斗、朝からいちゃつくなよ。」

「ほんとだよ、らい。」

拓斗と海斗が顔をニヤつかせながら言う。


「お前らもだろー。それに、普通のことだろ。」


俺は女慣れしているというか、こういうのが普通だったりする。

その女とは別に友達なだけどうといった関係もない。

こんなの挨拶だろ。




「お?おぉぉぉ!3人一緒だぞ!」

海斗が喜びの声をあげる。

「マジで?うっわ、最高。」


高1では3人とも別だったが、中学から仲がよかったから廊下で遊んだりしていた。


だから先生達も俺らが仲いいと知ってるはずなのにな。けど、すっげぇ嬉しい。


…ん?俺の出席番号の次に、

星野 来夏 って書いてある。


あ…小学校が一緒で、けっこう言い合いをしたりして仲がよかった奴だ。

中学になってからは、クラスが別になってあまり関わりがなかった。


「ん?何、ニヤけてんだよ、來斗。」


「っ、ニヤけてねーーーよっ!」

ふざけて、本音を読み取られないようにする。

なんでも本音で言い合う俺たちは、心がなんとなく読めちゃったりするんだな。


「あ、俺たちと一緒で嬉しいのか!」

今回はさすがにばれなかったらしい。

「そんなとこ。。」


来夏と一緒で面白くなりそうなりそうだなと内心思ってるんだけどな。

「行くぞ!」