「はーい、ではこの後の練習頑張ってください。」
『さようならー』
帰りのホームルームが終わって、
私、星野来夏は机にうなだれています。
ドカッッ
!!!!
見ると案の定、來斗がかばんを片手に立っていた
「ったーーい!もっと優しくできないのー?」
「女じゃない奴には優しくしねーよ!」
「なんだとー!」
もう!私だって、女の子なのに!
來斗をみると、あいかわらずかっこいい。
ジャージ姿がさまになってるなぁ。
って、見た目だけよ、かっこいいなんて!
「ほら、とっとと行くぞ!」
そういって私の腕をがっちり掴む
ち、力が強い…
なんだか恥ずかしくて振り払おうとするけど、びくともしない。
來斗にただただ引っ張られる私…
下駄箱まで来た時…
「仲いいんだね!」
そこには私たちを見て笑う、さらちゃんがいた。
「いやいや!意地悪されてるんだよ!」
「これのどこが意地悪なんだよ?」
「ふふっ。練習がんばってね。」
あー、ほんとに乙女って感じだ。
自分の女気のなさが痛いような…
「う、うん!こんな奴とでも頑張るよ!」
「あ"ぁ"?」
私たちは言い合いをしながら校庭へ向かった。
その時、さらちゃんが企んだような怪しい笑顔をしていたのを、私は気づかなかった…