「あんたこんな時間までどこ行ってたの~」
部屋に入るなりにお姉ちゃんに言われた。
私とお姉ちゃんは同じ部屋だ。
「どこでもいいじゃん。風呂入るから。」
「ちょっと、星七!」
風呂でしっかりと温まる。
今日は16年の中で一番最悪な誕生日だったなとか思いながら。
風呂から上がるとまだお姉ちゃんは起きていた。いつもなら夜更かしはお肌の大敵とか言って10時には寝るのに。
「星七、聞いて。私はね、星七がいてよかったと思ってるよ。だって血が繋がっていなくても私の妹は星七一人だけなんだから。星七だってそうでしょ?お母さんは14年間も星七を育ててきたのよ。血が繋がっていないってわかってもあなたのお母さんはたったのひとりなんだからね。」
泣きながらお姉ちゃんが言ってくれた。
「お姉ちゃん。ありがとう。私のたった一人のお姉ちゃんだもんね。お母さんもお父さんも。私明日ちゃんと謝る。」
「よし!それでこそ私の妹!なら私寝るね、おやすみ。」
そういったとたんお姉ちゃんはすぐに寝た。
机に座って青山君にもらったムースを食べた。
甘いはずのムースは涙でしょっぱい味がした。