玄関を開ける。いつもより緊張した。
リビングから両親の声が聞こえた。
「何言ってるの?星七も娘よ。杏璃と星七は私たちの娘でしょ。あなたもあの時いったじゃない。杏璃と同じようにかわいがって育てるって。」
もう何も聞きたくなかった私はいそいでリビングのドアを開けた。
「ただいま。私風呂入ってもう寝るから。おやすみ。」
「ちょっと星七!どこ行ってたの!」
突然お母さんにどなられた。
「どこでもいいでしょ。本当の娘じゃないんだから、お母さんも心配じゃないでしょ。」
それだけ言い捨て、冷蔵庫からムースを取り出し部屋に行った。