「私たちって本当の親から望まれないで産まれてきたんだね。無責任だよね。私、産まれてこなければよかった。」

そういった私の言葉に青山君は何も言わない。

「どうせ捨てるくらいならさ、初めからおろしてくれたらよかったのにね。
そしたら私も「もう何も言うなよ。」
青山君に遮られた。

「今更そんなこと言ったってムダだろう。過去に戻ることはできないんだからさ。」

「ご、ごめん、そうだよね。ごめん。」
静かな帰り道。二人の足音が続く。


そして、やっと家に着いた。

「ありがとう、ここが家なんだ。ならまた明日ね。」

青山君に背を向ける。

「七夕ムース。食べてないんだろ、ちゃんと今日食べろよ。なら明日。」

私は振り返ったけど青山君はもう家に向かって歩き始めていた。