「あ、あの実は、ね、」 「うん。」 それからさっきの出来事を青山君に話した。相槌を打ちながら静かに聞いてくれた。 「お前さ、」 「え、なに?」 「今日うちに帰るのか?」 そういえば何も持たずに家を飛び出してしまった。携帯も家だ。 「今何時?」 「9時半だよ。」 この時間に外を歩いたことはない。きっと親は心配するはず。 でもそうだ、本当の両親じゃなかったんだった。それなら心配なんかしないはず。 今日くらい、いいや。