沈黙が続く。 ――ごめんね。 加奈子は胸の中のもう一人にも謝った。 一度思い出すと、頭の中が「ごめんね」の四文字でいっぱいになる。 遊んであげられなくてごめんね。 抱き締めてあげられなくてごめんね。 会えなくてごめんね。 ――直に来るような真夏の日差し。 さっきよりも響く蝉の鳴き声。 ああ、あの日もこうだった、と加奈子は顔を歪めた。