「かな…で…?」 一体誰のことだろう、と気まずそうな慧の顔を見上げる。 「子供の名前」 ――え? 一瞬、世界が止まる。 「これなら男でも女でも大丈夫だと思って…」 ――この人は、今何を言った?子供の…名前? 「どう、して…」 震える声で問う。 「…十年間から、ずっと言おうと思ってた。今更、って思うかもだけど」 視線を逸らす慧。 暫しの沈黙のあと、加奈子が口を開いた。