「覚えてたんだね」 その男に声をかける。 「当たり前でしょ」 「…だよね」 簡単な会話を交わしながら、微妙な距離を保って境内を歩いた。 沈黙が続いたとき、加奈子は首筋を流れる汗に気付き慌てて拭き取った。