二人並んで、境内の中を、行きより少しゆっくりと戻った。 隣を歩くのはかつて引き裂かれた、家族になるはずだった人。 何も喋らない、どちらかと言えば重苦しい空気。 あの時の屋上でも、二年前の再開でも、二人はまともな会話はしていない。 去年は台風で会えず仕舞い。 ――慧と、どんな風に話してたっけ。 加奈子は“あの日”から二年前の再開を含むこの十年間の、慧との接し方を忘れていた。 ――せっかく来たのに、パパとママ仲良くできなくてごめんね… まず浮かんだ謝罪の言葉を、空の上の我が子に向ける。