境内を奥へと進み…一年振りに、この塔の前へ立つ。 二人は黙ったまま仏花を飾り線香に灯を点した後、そこにしゃがんで手を合わせた。 ――久し振りだね。 ――今日は、パパも一緒に来てるよ。 ――三人揃ったのは、いつが最後だったかな… いつものように心の中で我が子に語りかける。 届いているだろうかと不安になることもあるが、加奈子はこれを欠かしたことは無かった。 ――パパと、どんなお話をした? 目頭が熱くなり、目を開けると、さあっ、と風が木々を揺らすのを視界に捉えた。