こわすぎて、とりあえず大人しく椅子に座る。
すると先生も迎えの椅子に座ってじっと鋭い視線が向けられる。
速「ねぇ、なにさっきの言い方は。薬飲めばいんでしょって、まるで俺らに無理矢理飲まされてるみたいだけどさ…薬は誰のためのものなの?」
メ「……自分」
速「なんのために飲んでるの?」
メ「……病気…なおすため…」
ずっと俯いたままの顔があげられないよ…
速「じゃあ薬飲まないってことはさ、病気治す気ないってことだよね?」
メ「……」
速「え、そうなの?じゃあ今までの抗がん剤治療とかあんな苦しいこと別にやらなくて良かったじゃん。」
メ「……」
速「はぁー…もう、家に帰っていいよ?病気治す気もない人のために俺時間さきたくないからさ。」
そう言い残してナースステーションの方に戻って行った。
ポツンとひとり残されたメイ。
さっきまで耐えてた涙が一気に溢れ出てきた。
メ「…うぅ…グズんっ…」
病気治したくないわけじゃないのに…
ただ何も変わらない病状にイライラしてしまっただけなのに…
でも先生は真面目で患者想いの医者だから、薬飲まないとか治療から逃げるとかきっと嫌いなんだよね…