キライだけどスキ


中「え、何??メイ、虫歯でもつくったの??」

理由も言わずに先生が消えたから不思議そうに聞いてくる。

メ「…口内炎できた」

中「え、口内炎??それでご飯たべれなかったの??」

縦に首をふるメイ。

中「なんだよー。口内炎ぐらいはやく言えばいいのに。ちょっとお口開けて見せて??」

そう言って顎に手を添えてくる健斗。
嫌だ、開けたくないと思って閉じたまま。

中「ほら、はやく。」

そう言われせかすようにほっぺったをペチペチと軽く叩かれる。

仕方なく大人しく口を開けた。

中「うわ〜、これよく我慢したね。血もめっちゃ出てるよ。これは歯医者さんで見てもらった方がいいね。」

メ「えー…行きたくなーいっ!!」

中「抗がん剤治療もやっとあと何時間かで終わるんだし、歯医者さんくらい頑張れるでしょ?」

メ「頑張れないっ!」

中「はいはい、結局は行く運命なんだからさ、逃亡とかしないで大人しくしててよ?」