無菌室に移動して1時間くらいがたった。
まだ涙は止まらない。
ずっと頭の中でこの病室への恐怖心とかこれから治療の副作用とかで辛い思いをするのかとか、いろいろ考えてたらなみだが止まらない。
すると病室が開く音がした。
今病室の扉と反対の方を向いて布団をかぶりながら泣いてるから、誰が入ってきたかわからない。
涙と鼻水ですごい顔になってるだろうから振り向くこともできないし…
すると足音が近づいてきて目の前に速水先生が来た。
速水先生だったのか…。
速「泣きすぎ。体の中の水分全部なくなっちゃうよ?」
メイの顔を見て先生はそう言った。
先生は目の前に椅子を持ってきて座った。
速「メイ、なんでそんなに泣いてるの??何が嫌なの??何が不安??」
メ「…ぐずんっ。全部やだ…これから起こる副作用も怖いし、このビニールに囲まれたベッドも寂しいし…点滴もやだし、自由がないのもやだ…全部やだ…ぐずんっ」
速「うん、そうだよね。治療が好きな人なんて誰もいないよ。でもね、メイ。今は辛いかもだけどさ、その後の事考えてみない?今回の治療終わったら何したい??」
メ「…退院したい。アイスとお菓子いっぱい食べたい…」
速「ふっ、さすがに退院は難しいかもしれないな(笑)けどさ、一日くらいならお外行く許可出してあげるよ?あとアイスもお菓子も1日だけいっぱい食べさせてあげる。だからさ、一週間だけ頑張れない?このお部屋での治療。」
メ「……」
速「このお部屋が寂しいなら俺も中島も藤森も手があいてるときなは、なるべく病室に来るようにもするしさ、ね?頑張れない??」
速水先生の表情は今までに見たこのないくらいやさしい。
先生もメイのために頑張ってくれてるんだよね…
メ「…頑張ってみる…ぐずんっ」
速「よし、よく言った!」
そう言ってわしゃわしゃと髪の毛を撫でてくれた。
速「お前俺に撫でられるときすごい嬉しそうな顔してるよね?なんか犬みたいだな。(笑)」
メ「いっつもこんなに優しい先生ならいいのに…治療中は怒らないで??」
速「は?そんな上目遣いで言っても怒らないのは無理だぞ?だいたいメイが大人しくいい子にすればいい話だからね?」
メ「…もう怒ってるよ…」
そんなこんなで、これから1週間治療頑張れそう!
終わったあとのご褒美のために頑張る!!
