「やったね、よかったね、うれしいね!」


場所を2年6組の教室に変えても

あかりは大きい瞳を

ウルウルさせながら何度も

抱きついては手を握り

喜びを表してくる。


「ほんとに、よかったぁ…」


私も緊張が溶けて

間の抜けた声を出てしまった。





キーンコーンカーンコーン―…




二人で喜びを噛み締めていると

ホームルームの予鈴がなった。




私たち同様に友達同士で

ワイワイしていたクラスメート達が

そろそろと着席しだしたので

私達も席につくことにした。




席はあいうえお順なので

私が前、あかりが後ろだ。


位置は中央の列の一番後ろ、

なかなかの場所だ!




「クラスも凜とおなじになれたし、

席もいいし、あとは担任だけだね!」


あかりが後ろから

身を乗り出して耳打ちをする。




「凜は担任は誰がいい?」


うーん…と首をひねって考える…

元担任の小早川先生は産休だしなぁ

…あぁそうだ…


「いいって言うか、嫌な先生はいるよ」


私の応えにあかりはビックリしたようだ。


「凜が嫌いって珍しいね?

誰が担任だと嫌なの?」




私はその嫌な先生の顔を

思い浮かべながら口を開いた。


「数学の桐生―