「ねぇ、あかり?
私たち一緒のクラスになれるかな?」
二人で歩き出して10分、
家を出た時より風が温かくなってきた頃
学校が目の前に見えてきた。
それまで
春休みに二人で遊んだことや
それぞれ何があったか
他愛もない話をしていたのに
学校が見えたとたんクラス替えのことを
思い出して不安になってきた。
その不安を取り除くように
あかりに尋ねてみた。
「大丈夫だよ!
一緒のクラスになるために
同じ理系にしたんだから」
あかりは私と自分自身をはげますように
真ん丸に目を大きくあけて
胸の前で握りこぶしを作った。
そしてもう一度私の方を向いて
大丈夫、
と今度は目をきゅっと細めて笑った。
私もそれを見て安心して
そうだね、と笑ってみせ、
声音を変えて
あかりの手を引っ張りながら
走り出した。
「それでは行こうではないか、
クラス発表をみに!」
学校の校門はすぐそこ。
