その一瞬さえも、惜しくて。


「ここでいつも、ご飯食べてんの?」



急に話し掛けられて肩をびくっと
一回動かした後、
僕の顔を見つめこくっと一回頷いた。




隣に座ると鳴瀬が持っていた
可愛らしいピンク色のお弁当箱から
いい匂いがして

その中にあった卵焼きをついつまんだ。



「ちょっと、永嶋!」


我ながら、図々しいことしてるなぁ
とは自分でも思う。



「え、ぅんま!これ鳴瀬が作ったのか?」

「…うん、そうだけど。」


「お前天才だよ!めっちゃ上手い!」



鳴瀬のつくった卵焼きは
甘過ぎず僕には丁度良かった。


鳴瀬は、きっと褒められると弱い。
少し頷いて照れてる彼女が愛おしかった。