その一瞬さえも、惜しくて。




「鳴瀬は自分の部屋に行っててくれるか?
お母さんと二人で話したいから。」



不安そうな表情で動かない私を見て



「大丈夫。」



そう言って、また笑ってくれた。




話し終わったら呼びに来るから。



その笑顔を見てわたしは部屋に向かった。





「ごあいさつ遅れて申し訳ありません。
僕、鳴瀬ひかりさんが通っている高校で体育教師をしている...。」




うっすらと陽太先生が話す声が聞こえていたけど
部屋に行くと何も聞こえなくなった。



どきどき心臓の音だけが響いて、
そこから1時間くらいは経ったかな。