せっかく奇跡のグラドル総選挙一位になり
これからって時に
男がいました……。

「また弁当売って来い!」

「ごめん社長ー」

すんませーん。
まさかあそこで
亮平君があんな事言うとは思わなかったんだもん。
泣き顔になると

「でも彼がいたからメグちゃんも助かったんだろ」
安東さんの助け舟。
うんうんと頭をブンブン縦に動かすと、社長は「そうですけどね」って小さく言う。

「そうなんですよ。亮平君と沢井君と安東さんのおかげです」
しっかり頭を下げると

安東さんは私が去った後の話を教えてくれた。

ちゃんごらすが正座するほど恐れる事務所の偉い人は、遠慮なくちゃんごらすを怒鳴り散らしたそうだ。

前から番組を私物化するふたりに目を付け、来週から番組を降ろされ地方のローカル番組を受け持つという。

「ホントに?」
しびれてきた足をモゾモゾさせて、私は安東さんに聞き直す。

「本当。今回の事が決定打になってる。向こうの事務所から社長に謝罪したし」

あの大手事務所が
この小さな事務所に謝罪?

「撮られてた動画も処分したから安心して」

そうだよ
ねっとり舐めまわすようにほぼ全裸を盗られてたんだ。思い出すと吐きそうになる。

「あの2人はもう来週からいないから。大丈夫」

クールに言う安東さん。

神です。