幕が下りると
これから打ち上げがあるという

「一緒に行く?」
亮平君に誘われたけどブンブンと首を横に振る。

「行こうよ。俺達も行くから」
山口君が元気に私を誘うと、スコアさんがやってきて「お前らうちの事務所入れ」って疲れた声を出したので、皆で笑う。

「亮平。笑ってられんのか?舞台すっぽかして彼女紹介して、まずは説教だ」

「イテてっ!」
耳を引っ張られた亮平君は悲鳴を上げた。

「わかりました。どんな説教でも受けます」
強気に宣言してから私の肩を抱き、あれよあれよと強い力で舞台裏まで追いやって

壁ドン。

誰もいない舞台裏。
狭いスペースで

壁ドン。

亮平君の腕が私の顔の横にある。
うっすらと内出血して色を変えてるアゴが痛々しい。

そっと手を伸ばし
彼の顔に触る。

「俺……明日の午後まで休みなんだ。メグちゃんは?」

「私も同じ」

「打ち上げ終わったら行っていい?」

「うん」

「泊まっていい?」

「うん」

その日が来たかと
ドキドキしちゃう。

亮平君が大好きで
きゅんきゅんしちゃう。

「待ってて」

優しくキスされ
名残惜しく唇を離すと私のポケットでスマホが震える。

げっ!社長だ!
恐る恐る電話に出ると

「今すぐ事務所出て来い。何度朝から電話させりゃー気が済むんだこのバカ娘!」

怖い……行きたくない。

「今日帰れるかな」
スコアさんより怖い説教を社長から受けそうな私。

「どんまい」
亮平君に言われ
ふたり苦笑い。

どんまい……お前もな……の世界です。