「あんな可愛かったのに残念ー!」
「綾瀬にだったら俺、利用されてもいいかなー!」
「お前、馬鹿じゃねぇの!!」
みんなが話の面白おかしく膨らませ
ついには、綾瀬が
男を利用している、などという
ところにまでいってしまった。
それは本当だけど、
もし、そんなことしていなかったら
綾瀬はどう思うのだろう。
綾瀬なら、一人でなき続けるだろう。
ついに、俺の堪忍袋の緒がきれた。
「……お前ら!!!」
「……は、なに?」
「しょーもねぇ噂、作りあげるんじゃねぇよ!」
「……お前に関係無くね?」
「クラスメイトがすることじゃねぇーだろ!」
「……………。」
「お前らには失望した。」
「……………。」
「言われてる側の気持ちはお前には理解できないんだろーけど!」
俺は投げやりの台詞をあいつらに浴びせて
綾瀬のもとへ
駆け出していった。


