「はるひはね、中学校二年生の頃…
付き合ってる男の子がいたのよ。
毎日が幸せそうで私も嬉しくなった。
………私が、はるひの異変をもっとはやく気づいてあげるべきだったの。
毎日同じ場所で過ごしてたのに…。
はるひは彼氏からのDVをうけていたの。
日々痣がふえるばかりで笑顔を減るばかりだった。
私がそれに気づいた頃はもう遅かったの。
はるひは耐えられずリストカットを始めるようになった。
彼氏からは拉致された裸の写真を撮られて脅されて…
別れることが、逃げることが出来なかった。
そんな中、はるひを暗闇から手をさしのべてくれたのは
隼人くんという男の子だったの。
隼人くんは、自分がいくら殴られ侮辱されても
写真を消すのに何度も頼み続けた。
そして、ある日。
路上で隼人くんとあいつがもめて、大騒ぎになったころ。
はるひがあいつに追いかけられて捕まって
そこは運悪く歩道橋ではるひは突き落とされた。
隼人くんは走って落ちかけたはるひを抱き締めて落ちていったの。
隼人くんが下敷きになってはるひは助かった。
通行人の人が警察に通報してくれた。
その頃からもうはるひは隼人くんを好きだったの。
それからあの子たちは付き合ったの。」
はるひがDVを受けていたこと。
脅されていたこと。
突き落とされていたこと。
最愛の人がいること。
全て初耳だった。
俺はやはりはるひのことを何も知らなかったと実感した。
ところで何故、はるひが浮気をすることに繋がるのか
よく分からなかった。