俺は綾瀬の家へ向かうことにした。


ピーンポーン



誰も居ないみたいだ。




あきらめて帰ろうとすると……。


「……………そうたくん。」


「綾瀬っ!?」



「なんでここにいるの。」


綾瀬の顔は無表情だった。

このときの綾瀬が一番怖い。


「綾瀬が心配で……。」

「心配だったら他人の家に勝手に押し掛けてくる男だったんだ。
本当に気持ち悪い。幻滅。」

「!他人じゃないよな!俺たち付き合ってるよな!!」


「なに言ってるの?椎名くんなんか遊びの内に決まってるじゃない!
本気になんてならないでよー!」


綾瀬がこんな性格だなんて思わなかった。

人の心を弄んだ綾瀬が許せなくなった。



だけど、俺に現実を浴びせてる時の綾瀬の顔が凄く悲しげで

本心で言ってるようには見えなかった。



俺はまだ綾瀬を信じたかった。









「明日、学校来いよ。」


たった一言それだけ言い残して

俺は去っていった。