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お母さんね、ずっと高月女子高等学校に入学したかったんだけど、ダメでね…
だってほら、制服、本当に可愛いんだもの!
まさか、彩ちゃんが入ってくれるなんて!
お母さん、嬉しいっ!
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美優がそう言いながら、感動の涙を流していたことを思い出した。
美優が高月女子高等学校に憧れていたのは、知っていたから、彼女に報いたくて、猛勉強をし、お嬢様に必要だと言われる教養もある程度、身に付けた。
それにしても入学できた事は、彩の人生の中でも「奇跡」と呼べる。
Bクラスの制服を着た自分の姿を、鏡に映す。
もうすぐ梅雨も終わり、本格的な夏が近づいているこの少し蒸し暑い季節でも、通気性が良く、着ていて心地が良い。
(さすが、有名ブランド…
Cクラスの時と生地が全然違う…
デザインも可愛過ぎなくて、いいな…)
朝から衝撃的な事ばかりで、下がっていた気持ちも、少し上向いた。
鏡に向かって、少し微笑んでみた…

