彩が通う、巷では知らない者がいないと言われている「高月女子高等学校」。
いわゆるお嬢様学校だが、決して平等ではなく、なんと家柄によりクラスがA、B、Cと3段階に分けられる。
家柄が良ければ良いほど、高額な入学金を始め、月々の支払いも莫大になる。
しかし、Aクラスでは授業を教える教師達は、「超」がつくほどのエリートの為、親達はこぞって、娘を素晴らしい「お嬢様」にする為に、お金を惜しむことなく入学させる。
空調も年がら年中快適。
制服は、有名ブランドの華やかなもので、お嬢様達の憧れ。
ランチタイムでは、高級料理が食べられる…などなど。
裕福な家庭にとって、憧れの高校なのだ。
Bクラスでは、Aクラスよりも劣りはするが、執事のいない家には、希望があれば学校から執事が手配されたり、空調も快適で、制服もAクラスのものとは違うが、やはり有名ブランドのもの。
Cクラスは、彩が入っていたクラスで、入学金のわりには、普通の高校とあまり変わらない。
しかし、彩のようにCクラスであっても、家が裕福になりお金を支払う事ができるなら、ランクアップもできる。
この一見差別的とも思える非常識な高校を創立した学校長は、ニヒルな50代の男で、執事の育成も行なっている。
噂では昔、執事をしていたそうだ。
賛否両論はあれど、この「お嬢様学校」は、倍率が毎年高く、お金があるというだけではやはり、入学する事はできない。
ある程度の教養も必要だ。
兎にも角にも、将来を約束されたようなこの学校に憧れているものは多い。

