まさかと思った。
信じられないと。
けれど、このところ感じていた泉の発言には、心を読まれたかのような言葉の数々があった。
私が頭に思い考えた事を、泉は躊躇いなく口にしてきた。




  ―――― うちのクラスにいいのがいるじゃん ――――

「くろ――――…」
「黒谷は、嫌だよ」



「だって、アイツ面倒なんだもん」

  ―――― 同じ事感じてたわけ? ――――



  ―――― やっぱり、黒谷に負けないくらい、泉も面倒な奴だわ ――――

「俺。そんなに面倒な奴じゃないよっ」



  ―――― 私は、ゲームのボスキャラじゃないんだから ――――

「ゲームのボスキャラ並に手強い」

  ―――― だから、私はゲームじゃ――――。




偶然?
それにしては、的確すぎた。
もし同じだとしたら、なぜ私に近づいてきたの?
いや、接触と言った方がいい?
同じ力を持つ故の興味?