―――― 科せられた約束 ――――




「未知……。よおくお聞き。初めにも言ったように、お祖母ちゃんがこれから言うことを必ず実行しておくれ。それが、どんなにつらく苦しい事だとしても」
「……お祖母ちゃん……」

「あの子は、元々存在する予定の子じゃなかった――――」
「っ?!」

そのたった一言で、祖母の言わんとすることが理解できてしまう。
解りたくなどないのに、想像できてしまう。

祖母は、立ち上がると桐の箪笥の前に立ち、中ほどをの抽斗に手をかけた。
その抽斗を開けると、隠し板になった中底を持ち上げる。
そこから、二十センチほどの長細いものを手にし、私の前にもう一度座った。

「未知……」

私の名を呼び、それを手に握らせる。

いや……。
いやいや……。

私は、顔をゆがめ首を振る。
必死に受け取りたくないと、つき返そうとした。

けれど、祖母は断固として譲らない。
しっかりとその小刀を、私の両手に握らせる。