あたしだけを愛しなさい








「あぁ、彼女……浅野さんだっけ?あの子可愛いもんね?あの子に勝てる子は少ないだろうなぁ。」







「なっ!」






「まぁ、そこで俯いている子には無理そう」






「そ、そんなこと分からないじゃない!」





「あれ?矛盾してない?自分で今お似合いって言ったじゃん。その子、あたしどころか浅野さんより魅力ないよねー?」






「……っ!じ、自分のこと可愛いって思ってるわけ!?」






「だったら何?事実じゃん」





そう言って、さらに笑みを深めた。





そして「うわああっ」と、俯いていた子が泣き崩れたようで。






でも、西川愛梨から目が離せない。





そして西川愛梨はそんな俺の方を向く。






そして…、





「あたしが機嫌悪いのに、面倒なこと話しかけてくる方が悪いんだから」






イタズラに、ニヤリと微笑んだ。






……西川愛梨、なんか、すげぇ良い。





_________気に入った。






掴まれていた手を解き、逆に掴み直す。





そして、西川愛梨を引っ張りながらこの場を去った。