あたしだけを愛しなさい







「なに?うるさいんだけどぉ」






可愛らしくにっこりと微笑みながらも、笑顔に似合わない言葉を口にした。







………え。






あれ?





なんか、口悪くねぇか?





驚いて目を見開く。






「っ!に、西川さんには関係ないからっ!」






女は五人組で、顔には見覚えが……ない。






真ん中の子は顔を俯かせていて見えないから分かんないけど、西川愛梨に明らかな敵視を向けている四人は全然知らない。






「関係ないよ?でもね、あたし今機嫌悪いの。引き留めたなら何かあるんでしょ?早くしてよ」






そう言って、クスリと笑う。






可愛い笑みなのに……鋭い棘を含んでいるような笑みで、どこか色っぽくて。







不覚にも見とれてしまいそうになった。






「西川さんには関係ないって!!て、てか何で手なんて繋いでるのよ!?それに機嫌なんて知らないわよっ!」








「あれ?手繋いだら悪いっけ?」






「あ、当たり前でしょ!?東くんには彼女がいるのよ!……お似合いの!!」






自分のことを言われているのに、彼女の笑みから目が離せない。