もう恋諦めました。

その中に崚行がいた。

まだ、幼くて小さくて
黒髪を短く切っていた、あの頃の崚行。

『おい、柊!』

聞き覚えのある声。
自然と身体がふるえた。

『っあ、な…に…』

そのせいだろうか、
声も震えていた。