劣等審判

「最悪。最悪。最悪。最悪。最悪」

 宮城は呪文のように唱えている。

「ん?もしかして君ら、俺に会いたくて図書館に来たのかい?でもどうして俺の場所が…。さては朝からずっと俺を見て」

 最後まで言うまで待たず滋賀の足に蹴りを入れる山口と宮城。ここは何故か気が合う。
 蹴りを入れられた滋賀はと言うと、相当強かったらしく床で丸くなり震えている。

「そ、そんな愛情表現しかできないのかい?かわい、」

 もう1発蹴りが入る。またまたクリーンヒットしたらしく床でじたばたもがいている。

「おい、滋賀。まさかその状態でスカート覗こうとしてるわけないよな。流石のお前でも、そーんな残念なことはしないよな」

 流石の残念でもそこまで酷いことはしないだろう。人間としてヤバイな。

「まさか、まさか。宮城さんの赤いリボン付きを覗くものは…」

 顔へビンタ1発。しかも強烈な奴だ。

「うっわー酷いね人間として」

 さすがにここまで酷い人間には僕もなりたくない。