劣等審判

「で、何について調べているんだい?」

「ゲーム」

 あまりにも簡単な答えで山口が何秒か黙っていた。宮城はゲームとかやるような人ではない、どっちかと言うと外で遊ぶタイプだ。

「き、君がゲーム?!まだ信じがたいんだが…」

 山口が必死に笑いを堪えている。

「信じなくていいさ。あんたに信じられたところで全然嬉しくないし」

 宮城はまた不機嫌そうな顔をした。
 
 早足で宮城は僕を抜かした。

「それより…」

 宮城が急に立ち止まった。

「何であんたまでいるのよ…滋賀」

「おーヤッホー今日もかわいいねぇ2人とも。」

 山口と宮城が本気で嫌そうな顔をした。

 僕はこの滋賀という人をよく知らない。山口と宮城の愚痴で聞いたことがあるだけ。でも、すごく残念な奴だと知っている。

 顔はいいのに性格がダメでクラスメイトにとことん嫌われ、行くところがなく図書館に来ているというわけだ。

 なんだかんだ、ただ友達がいない僕より可哀想だ。