劣等審判

「皆?どうしたの?」

気が付くと意識はすっかり戻っていた。何分くらい倒れていたのだろう。

「石川君・・・・・・」

山口続きを言わず僕から離れて行く。宮城も、岐阜も、千葉も。

「本当に、どうしたの?」

その質問に誰一人答えようとしない。どうして、どうしてこうなった。そんなにも大変なことが僕が気を失ってるほんの少しの時間に起きたのか。なぜ、なぜ皆。

よく見ると千葉が椅子に手足を縄で結ばれている。そんな状況でも彼は嗤っている。

「ごめんね。石川」

宮城がやっと話はじめた。

「今石川が倒れている間に決めたことなんだけど。いい?」

「いいかって・・・・・・。決めたんでしょ?」

「そうだね」

宮城がいつになく優しい。





ここからさきは聞いてはいけないような気がした。







「今から千葉を殺して」









それはあまりに唐突で、少し理解できなかった。