劣等審判

「何も思わない? そんなはずないだろ?」

彼は企んだように笑った。全てが分からない。千葉の全てが。

「きもちいいんだょ。目障りな奴が2人も消えてな。清々しいとか、そういうことの前に、きもちいいんだょ。」

 千葉は高笑いする。気味が悪い。千葉もだが、この空間が悪い。

「もともとあいつらは嫌いだった。周りを犠牲にして。自分のプライドだけを守ろうとしたあいつらが…」

千葉が覚るように話始めた。

「長崎がプライド? ちょっといっていることが分からないわ」

宮城が話に割り込んで(?)きた。

確かに同感だ。失礼だがいじめられていたと分かった葵さんにプライドなんて…。

「馬鹿か? お前。プライドなんてなかったらとっくに仕返ししてるって。」

「葵…さん」

僕は床を見つめる。不思議とあの殺したときの感覚が心の底から舞い上がってくる。あの時に見えていたものが頭のなかをスクリーンのように再生し始めた。

改めて血だらけの手を見つめる。吐き気がする。辛く、燃えるような喉の痛みに襲われる。涙が出てしまう。

「滋賀も…プライドなん棄てれば。こんなことにはならなかっただろうに…」

止めてくれ。滋賀の…、滋賀の時のも再生されてしまう。苦しい。息が。

「石川君!?」

意識が切れた。