劣等審判

「誰かっ!!誰かァァ!!」



必死に助けを呼んだ。早くしないと葵さんも死んでしまう。早くしないと。早くしないと。


「石川君。退いて」


山口が僕を退けさせた。山口は切った手首の下を力強く押さえている。


「任せてくれ。こう見えても保健体育のテストは満点だ。もちろん他の教科もだけどね。それにもう何人かで実践済みさ。強いて言うなら私は医者志望だよ」



「最後のは要らないな。黙ってやれ。聖歌」



宮城が落ち着いて言う。



「よし。これでOKだね。しばらくはそっとしておこうよ。」



「そうっすね」



良かった。助かった。葵さんがまだ生きているんだ。良かった。




「でもさ怪しくないっすか」






 そんな僕の安らぎを壊すように岐阜は言った。