劣等審判

「もう…全員悪人なんじゃね?」


 と、滋賀が。



「は?それならゲームは成り立たないじゃない」


 そういいながら宮城は滋賀の頭をはたいた。



「俺は石川が悪人だとおもうぜ」


 千葉が本を手に取って言った。


 僕が罪?いつ?こんな僕が?


「その証拠。どっから出てくるの?」


 葵さんが千葉を睨み付けた。



「だよなー」


 滋賀が気の抜けた声を出す。



「なんなのよ!!!?あんた信じらんない!!よくそんな気の抜けた声を出せるよ!?死ぬかもしれないのよ?!どうしてそんなっ…」



 宮城は途中で言葉を止め、その場に座りこんでしまった。



「もうっ…いや…」



 宮城の目から大粒の涙が落ちる。