劣等審判

「それってつまりさ、自分は罪を犯してない。っていう自信があるからじゃない?」


 そのとうりかもしれない。僕は心のどこかで安心というか、余裕がある。


「逆を言えば皆は罪を犯したっていう自信があるの?」


「そういう意味じゃないよ。わからないんだよ。本当に。どれが罪でどれが罪でないのか。君もそう思っているんだろ?」



 そのとうり。山口の言うとうりだ。



「お前だって罪、無いとは限らないだろ」



 反論できない。