劣等審判

「滋賀…万引きしたことあるっすよね」


 あまりにもいきなり過ぎてすぐに理解できなかった。


「本当、なの?」


 葵さんが声を震わせている。


「ははっなに言ってるんだよ。俺が万引きぃ? する勇気もねえよ」

 滋賀は笑いながら言った。やはり滋賀もおかしい。皆、このゲームが始まってからすごくおかしい。


「そうなのかな?だから女子に毎朝話しかける勇気が」


「五月蝿せぇ。お前になんて関係ないだろ」


 鋭い視線で山口を見た。山口も動揺している。そして山口は意味わからないや、と小声で言っていた。


「だったら…先に罪を犯してなさそうな人を言えばいいんじゃない?」


 僕が提案する。


 岐阜は成る程…など色々言っているが、他の人達はあまり気が乗らなそうだった。


「どうしたんすか?」


 岐阜が馬鹿っぽい顔で聞いていた。


「だってさ…」


 宮城は重い口を開いた。


「それってつまり」