数十分前の話。僕らがまだ図書館にいた時。

「……5人…か。あと2人欲しいな」

 山口がポツリと呟いた。

「2人か。なら岐阜と長崎がいいだろ」

 岐阜となればどうせ引き込みのは僕だ。

 あの岐阜と話すというだけで気が重い。

「でも、長崎いるの?」

 そうだ。長崎は普段あまり学校に来ない。今日だというのにいなければ困る。

「長崎ちゃんならいるよ。朝から学校に来てたもん」

 山口がしれっと言った。そのあとのドヤ顔がうざくてたまらない。宮城は腕が震えている。

「な、ならいいよ」

 千葉が言葉を詰まらせながら言った。

「じゃあ、午後この場所で」

 他人と久しぶりに約束をかわした。

少しだけ嬉しかった。




 …………その時だった。