相変わらずキーボードを打つスピードは変わらないが、一瞬時間が止まったように感じた。
「何で…知っているんだ、このクソメガネって感じだろ」

「千葉…!!何でそれを」

 宮城が千葉に向かって怒鳴りつけた。宮城の声が図書館の中で谺する。

「宮城も見たんだろ、裏サイト…。それでサボってまで探しに来たんだろ」

 宮城が図星を指されたような顔をした。

「すいません…話が読めないんですが」

 僕が一瞬の沈黙で手を挙げて言った。

「石川には後で説明する」

 宮城が横目で見ながら言った。

「俺もわかんない」

 後に続いたように滋賀が手を挙げて言った。

「お前には教えない」

「まぁ…ちょうど今日…なんでしょう?千葉君に亜美…」

 山口がそこらへんにある本を適当に開きながら言った。そうすると二人が同時に頷き、睨み合っていた。

「じゃあ…説明するね」

 図書館は勉強する場所だ。図書館は静かだ。

 でも今は違う静かさが漂っている。