劣等審判

 4人で道を塞ぐように歩く。といっても、もうとっくに授業は始まっているので人が通るわけはない。僕らのようにサボっていなければ。

 時に柱があったりして道が狭くなるとき、決まって滋賀が柱にぶつかる。滋賀がぶつかって痛がっている隙に早く進む2人だ。

「石川君さ~普段どーゆー本読んでるの?」

「どうして山口に言わないといけない」

 僕は少し厳しい言い方をしたかな、と後悔した。でも山口にとってそんな後悔無用だったらしい。

「いやいや!!情報屋として知っておきたいだけさ」

 彼女の知らないものはないというほどの情報網を持っている。

「……広辞苑…」

 僕はしぶしぶ答えた。

「は?」
 
 横で宮城が驚いている。

 無理も…ないか…。