劣等審判

「仕方ないな。今日は私の機嫌に免じて許してあげるよ」

 宮城が腕を組、仁王立ちして言う。

「はい、亜美様ありがとうございます」

 滋賀は特別教室棟の外れの廊下に正座させられている。顔には痣だらけでとても許してもらったようには見えない。滋賀の眼は軽く潤んでいる。相当痛かったのだろう。

「うんうん!!私も許してあげるよ!!亜美と石川君に会えたことに免じて」

 さりげなく僕を入れ、さりげなく滋賀を抜く。彼女らしい。

「何気に私入れんのやめてくれる?」

 宮城が不機嫌そうな顔をした。

「あはは。もうとっくに始業時間過ぎてるよね。まあいっか」

「私は問題ないよ。頭の方は追い付くから。滋賀は知らないけど」

 宮城が吐き捨てるように言った。