「…んー…疲れないか、か…」

桜ノ宮君は考え込むような素振りを見せた後、またニコッと笑って口を開いた

「分からないな、ずっと笑ってきたから…ずっと笑わないといけなかったから」

彼はそれだけ言うと、先程のテレビの話へと主題を変えた

"ずっと笑わないといけなかった"

果たしてそれはどういう意味なのだろうか
跡取りとしての義務なのだろうか、それとも別のなにか?
僕はただそれだけを考えていた

なぜ知ろうとしたのか、なぜ聞いたのか
それは僕自身にもわからない
もしかしたら、自分には無いものを持つ彼に嫉妬していたのかもしれない
少しでも彼の弱味を知ることで優越感に浸りたかったのかもしれない
少しでも…彼の存在が僕の近くにあると…感じたかったのかもしれない

それがいったいどう言うものなのか、僕自身にもわからないでいた