佐々木くん、中曽根くん、そして斎藤くん…。
三人よく見てみるとそれぞれ違う方向にかっこよくて。
そんな三人結愛ちゃんや、わたしみたいな全然関係ない人といたら女の子たちは騒ぐだろうし、すぐに噂になるだろうな。
「前ちょっとややこしいことになってね……三対一だったから男たらしとか言われて尚更女子の妬みとかすごくて。
距離置こうかなとか考えたんだけど、三人が止めてくれたから。それからここがわたしたちの秘密の集合場所なの」
そっか……結愛ちゃん、そんなことがあったんだ。
自分が好んでいる人といるだけで嫉妬されるのは、想像してみるとかなり辛いことだ。
それに結愛ちゃん可愛いし。
その女の子たちもただ彼らが好きなだけなんだろうけど。
「行くぞ」
止まっていたわたしと瞬くんと結愛ちゃんに、斎藤くんは振り向いていつもより低い声でそう言った。
「あ、うん」
わたしたちはグラウンドのフェンスの近くにあった小さな階段を下りて細い道を歩いた。

