一生に二度の初恋を『あなたへ』



「うん、そういうこと‼︎」


結愛ちゃんは明るくそう言うけれど、知り合ったばかりだしいいのかな。

わたし、気が利かないし、口下手だし。斎藤くんと結愛ちゃんは話したことがあるからともかく他の二人とは上手くやってける自信がない。


特にあの中曽根っていう人、怖い……し。



「優、数学得意だけど英語とかも点数良いしさ。教えて欲しいんだよね……お願い!!」


結愛ちゃんが必死に手を合わせて頼んでいるのに圧倒されたわたしは、つい頷いてしまった。


「うん。分かった」


わたし結愛ちゃんに弱いよな……。

体育のときだって結愛ちゃんにお願いされると断りきれなかった。


「ありがとー!!みんなにはメールでわたしから言っとくね」



「ふふっ」


わたしがやっちゃったなーと反省してる間に、結愛ちゃんが一瞬ニヤッとしたような気がするのは、気のせいだろうか。