一生に二度の初恋を『あなたへ』



それが友達なのかな……。

今さらながらにそう感じた。


そしてわたしが話した分だけ、というかそれ以上に結愛ちゃんも色々な話をしてくれた。



どうやら結愛ちゃんは、同じ陸上部の男子が気になっているらしい。


「いやっ、でも気になってるだけでね!!まだ恋と決まったわけじゃないよ……。

何で気になるのか分かんないもん。あいつ……口本当に悪くて性格も別に良いとは言えないし……でもたまに優しかったり……」


最後、誉めてるよ結愛ちゃん。

それにいつも『くん』付けの結愛ちゃんが『あいつ』だし。



わたしまで顔が熱くなった。


恋バナってこんなに楽しかったんだ。

わたしはずっと聞く側で、話すことは無かったし、まず恋のこと自体分かってなかったから、知らなかった。



「あっ、次の授業。優行ける?」

「うん。もう大丈夫‼︎」



そんなに時間が経ったのか……。


名残惜しく思いながらも、わたしたちは保健室を出て教室に戻った。