そうだよ、違うよ…。それでも。
今のは何だか、すごく…ドキドキした。
わたしは火照ったおでこに手を当てて、顔が赤くなっていることに気づきながらも、早歩きで職員室へ向かう。
この高速に高鳴る胸の鼓動の理由なんて、もう、ひとつしかないんじゃないかな……。
「先生!!」
「おっなんだ高梨?質問か?質問なら喜んで…」
先生は目をキラキラと輝かせながら聞いてきたけれど、申し訳ない。
「すいません、違います……。数学のプリント出し忘れてて……」
急いで二つ折りにしてあったプリントをファイルから取り出す。
「あぁー了解。提出期限しっかり守れよー」
「はい…すみません」
わたしは先生に頭を下げると急いで廊下を走って、斎藤くんのいるだろう教室に向かった。

