一生に二度の初恋を『あなたへ』



「えっ、どっどうもしない」



本当はどうもしてるんだけどそう言ってしまって後悔……。

でも放課後待っててくださいなんて言ってしまったらみんなに誤解されてそれこそ後悔するんじゃないかと思う。



「ふーん。最近、変じゃない?いつもなら聞いてる授業も眠そうで上の空っていうか」

「気づくんだ…」


「ん?あぁ。隣の席だし普通気づくぞ?」


周りにいたクラスの人たちが『大丈夫ー?』と声をかけてくれる。



「だっ大丈夫ですっ」


色んな人にどぎまぎしながらそう答えていると、潮波先生が教室を覗いてしっしっと手を動かしているのが見えた。



「部活ないやつは速く帰れよー。勉強したいやつはしてもいいけどな」


たくさんの書類を山のように抱えている先生は意地悪そうに笑うと、去っていった。


先生の顔を見て、何かが頭を過る。


あれ…そういえば何か忘れてるような……。

大切な……何かを……。



「あ……!!」


机に両手を置いたまま椅子を引いて、立ち上がる。